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パリならではのゆっくりとしたリズムに身をゆだねてみたい。
パリジェンヌのお気に入りのグルメスポットを紹介します。

感じいい！親切！ちょっと贅沢！「セ・サンパ」とパリジャンは表現します。そんなサンパなパリを、ほぼ毎週更新でご紹介しています。

パリの日本料理店

2006.02

ISSÉ
いせ

　45 rue de Richelieu 75001 Paris
　Tel: 01 42 96 26 60

銀杏せいろ

Jardin（ジャルダン、庭園）

　今回はパリの日本料理店を紹介しましょう。
日本料理の店は25年位前には１００軒近くあったが、バブル崩壊時にかなり姿を消してしまった。そのかわり20年ほど前から、雨後の筍のように現れたのが中国系の人々が経営する寿司ややきとりのレストランである。オペラ、パレロワイヤル界隈以外は、日本名のレストランを見ても疑ってかかった方がよいほどである。

　今回ご紹介するのはISSÉである。勿論ホンマモンの日本料理店である。（惜しまれつつ閉店した「伊勢」ではないので念の為。）パレロワイヤルからリボリ通りを垂直に北に上る通りがリシュリュー通りだが、コメディーフランセーズから3分ほど歩いたところにISSEがある。モリエール通りと結んだところからすぐ。店内はモダンでシンプルだが、ナチュラルな素材を多く使っていて落ち着いた雰囲気だ。天ぷらが一番のおすすめだが、他に懐かしいハンバーグや海老フライ、トンカツとのトリオもあるし、鮭せいろや鶏せいろなどがあり、お昼は特に楽しい。

　お昼の天ぷらをメインとした定食は三つ。
《Théâtre（テアトル）》は23ユーロで刺身、小鉢、天ぷら、焼き魚（鮭、または鰯）に味噌汁とご飯とお新香がつく。この定食は人を招待するのにも向いている。刺身も入っているので生魚の美味しさを（ついに）発見して夢中になっているフランス人には特に喜ばれるだろう。
15ユーロの《銀杏せいろ》には野菜の天ぷらがつく。それに味噌汁とお新香。ベジタリアンにぴったり。最近、肉中心の食事にいや気のさしているフランス人に、ベジタリアンが増えている。
《Jardin（ジャルダン、庭園）》はお腹いっぱい食べたい人に絶対おすすめ。たくさんの天ぷらとサラダ、それに焼き魚、ゆかりご飯のおにぎりまであり、もちろん、味噌汁とお新香も。サラダは色どりの為の添え物ではなく《庭園》の名のごとくたっぷりである。焼き物の魚（鮭か鰯、私は鰯を取った）も大きくて太ったのが２尾、こんがりと焼きあがってじゅうじゅういうのを食べると口の中に幸福感が広がる。特にフランス人は家の中で鰯などの魚を焼くのを毛嫌いするので、アパート暮らしの私たちは普段食べられないから余計そう感じるのかもしれない。
その他、せいろはには、鮭、鶏、うなぎがアラカルトであるが、嬉しいことに銀杏せいろのみはもち米が入っているので、ごはんと銀杏のおいしさを堪能できる。天ぷら定食や天丼もあるし、カツとじ丼というのもある。(１３－14ユーロ)。
デザートは胡麻のアイスクリームや白玉ぜんざいも。7ユーロ前後。
ワインはグラスが6ユーロ前後。
ビールとコーヒーで6ユーロというメニューがお昼にあるが、サラリーマン向きか？

　夜はカウンターでお任せの天ぷらコース（10種の天ぷらの他に刺身や小鉢、貝の酒蒸し、海老シュウマイ、ミニかき揚丼）が40ユーロだったが、近々趣向を変えて50ユーロになるという。
天ぷらタパスといって、ネタ別のものが5から10ユーロ。懐かしい南蛮漬もある。ポルトガル料理屋でエスカベーシュを食べた次の日にこれに出会って全く同じ味だったことにびっくりした記憶がある。
夜はゆっくりとビール、またはきりっと冷やした白ワインでいきたい。また最近はメインが魚でも赤を飲む人が増えてきているが、赤は美味しいサンテミリオンを用意している。値段もリーズナブルだ。
フィガロスコープ紙のレストラン紹介で満点を取ったとか、天ぷらシェフの安さんがちょっと得意そうに言った。

営業時間	：12:00－14:30(ラスト・オーダー)
	：19:00－22:30(ラスト・オーダー)
日曜	休

シェフのお勧め
・	テアトル	22ユーロ
・	ジャルダン	15ユーロ
・	銀杏おこわ	15ユーロ
・	いわし塩焼き	13ユーロ
・	刺身	18ユーロ
・	ISSÉトリオミニハンバーグ・海老フライ・ヒレカツ	13ユーロ

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