|
|
|
|
ベルシー地区 その1:ベルシーヴィラージュ;クール・サンテミリオン |
今パリの東が熱い、そう言うと「遅いよ、そんなの知ってるよ」と言われるかもしれないのだが、9月末に新しいシネマテーク(国立フィルムセンター)がベルシー地区に誕生してフィーバーが最高に達している。ベルシー通りの奥にメトロの新しいライン、14号線の駅、クール・サンテミリオンがある。
その昔、ボルドーからサンテミリオンのワインが船で運ばれたとき、セーヌ川の畔、このサンテミリオン地区の倉庫に貯蔵されたわけである。その倉庫が使われなくなり、新しい地区として生まれ変わった。一部は緑地帯になり、可愛らしく並んだ倉庫の列はレストランやギャラリーやブティックに早変わりした。14号線が開通してすぐにオープンしたのだが、新しもの好きな人以外にはそれほど知られていなかったのだ。ところが、Accor系統のホテルが出来、エキスポ会場がオープンし、対岸のフランソワ・ミッテラン図書館が軌道に乗ってきて、こちらのほうもだいぶ定着してきたようだ。いつも人で一杯である。近くのAvenue des Terroirs(アヴニュー・デ・テロワール)には、縁日のお祭りに活躍した人形などの博物館もあり、そこで美容のショウやモードの催しなどが行われて活気に満ちている。
一番の通りは鉄道の線路が残る通りだろう。かつての倉庫がきれいに洗われて、クレープのレストランや二コラのワインバーや各種レストランになっている。ワインバーやワインセラーが多いのはそこがワイン倉庫だった所以であろう。勿論観葉植物を売るトリュフォーの店、アートギャラリーなどもあって楽しい。なんとなくひなびていて、しかもいつも縁日のような賑わいを示しているのは、倉庫のパビリオンが古びたよさを醸し出しているのと、そこは車が一切入り込まないゾーンのせいだろう。逆に言えば車の往来によってわれわれは大変なストレスを日々体験しているのである。ここは本当にのんびりした感じがある。今年は9月に入ってから安定したいい天気が続き、通りに面したレストランのテラスはいつも一杯、みんなゆったりとランチやディナーを楽しんでいる。また映画の終わった後等も、テラスでキャフェや一杯のワインを前にして感想を語り合ったり、友達同士わいわいやっていて、フランス人は人生を楽しむのがなんて上手なんだろう、といつも思う。線路の道が長く続いているのも、お寺か何かに続く門前町の道の雰囲気があるが、でもそれは私が日本人だからかもしれない、とも思う。
道の奥(メトロの駅を出て右)は23本の映画が一度に見られる映画館シネ・シテになっていて、最新の映画をほとんどすべて上映している。午前中は5ユーロ台で見られるとか、一回みると二回目は2人目が無料とかいろいろな割引きがあって嬉しい。中にもカフェやスナックレストランがある。
で、その道沿いのレストランのお勧めをひとつだけ、というのならCahai 33、美味しくていろんな種類があり、また思ったよりもリーズナブルな値段。24,5ユーロのメニューがあり、いろいろ選べて楽しい。ワインもいれて30ユーロぐらい。中も広く内装もすっきりとモダンで居心地がいい。もっと簡単にならクレープリーがお勧め。塩味のそば粉のクレープにハムとかチーズ入って、中はとろーり、外はしゃきっとして美味しい。Nicolasのワインバーもグラスワインが2ユーロぐらいから。勿論食事も可。このごろはスリーコースのメニューを取る人は少なくなっているから一品だけでもokという店が多くなっている。しかもおつまみを延長したようなリッチなサラダとか10ユーロ以下のものもある。
ブティックは日本人の好きなアニェスBもオープンして話題を呼んでいるし、生活用品の店、レゾナンスや世界中の民芸品や面白いオブジェが見つかるnature et decouvertesもある。 |
|