リアリティに欠けるほどに美しい男たち、威圧的な艶かしさの女たち。1976年に運命的に出会ってしまって以来、公私を共に歩んできたピエールとジルは、他に類を見ない独特の世界観を作り続けているフランス人のふたり組アーティストです。世界のゲイポップカルチャーをヴィジュアル面でリードしてきたコンビの作品120点を集めた回顧展が、写真美術館JEU
DE PAUMEで開催されています。
彼らの手法は、まず、スタジオにセットを作成。演出を設定して撮影をし、焼き上がった写真にレタッチを施して、マットでキラキラしたオリジナル一点作品ができ上がります。ジャン=ポール・ゴルチエ、イギー・ポップ、マドンナ、カトリーヌ・ドヌーヴなどなど、世界中のセレブやモデル、そして夜の世界に生きる男や女、無名の人、さらに自分たちもモデルとなって画面に収まってきました。おとぎ話、残酷物語、宗教、セックス、神話、しばしばタブーにも触れるインスピレーションから作品は生まれますが、おおげさで非現実的な垢抜けた構成は、その重苦しい空気を限りなくポップに変化させてしまいます。
一度目にすると忘れることのできない “目眩くピエール&ジルの世界” へようこそ!
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