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2009.8 |
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アンディ・ウォーホルの “社交界”
~ポートレート・シリーズ~ |
ポップ・アート界の立役者、アンディ・ウォーホル(1928~1987)は、大衆消費社会の断片を芸術として表現しました。シルクスクリーンを使用しイメージを機械的に同列配置する手法が特徴で、1960年代アメリカの大量生産時代を象徴しています。その代表作品は、キャンベルスープ缶やコーラの瓶といった、ごく一般的なオブジェを延々と並べて描いたものです。またポートレート・シリーズでは、様々なカラー展開で強いインパクトを残すマリリン・モンローが非常に有名です。
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1962年、ウォーホルは、マリリン・モンロー、エリザベス・テイラー、モナリザ、エルヴィス・プレスリーなどを一風変わった目線で捉えて表現し始め、1967年頃から死を迎えた1987年まで、各界の有名人や、また無名人の「ポートレート」に固執して受注生産を展開しました。
ポートレート作品もまたキャンベルスープ缶のように、同一イメージが色を変えながら複数並べられることによって、マスメディアから際限なく溢れ出ては消えていくイメージの反復を、無機質に捉えていくシリーズです。全く立体感のない平面に構成された有名スターたちは、その特性や人間性をいつしか消され、体系化された記号へと変化していきます。次第に“それが誰であるか”が意識の中から遠のいていった時、キャンバスから注がれるモデルたちのまなざしは意思を失い、私たちは不思議な感覚に誘われてしまいます。
今回グラン・パレには、ピッツバーグのアンディ・ウォーホルミュージアムの協力のもと、60年代初期からのポートレートをピックアップして250点余が集められました。
ほんの一部をご紹介しますと・・・
映画や音楽界のスター:ブリジット・バルドー、ミック・ジャガー、シルヴェスター・スタローン
アーティスト:マン・レイ、キース・ヘリング
美術コレクターや画商:ドミニク・ド・メニル、レオ・カステリ
モード:イヴ・サン - ローラン、ソニア・リキエル
そして世界中の王家、大富豪、政治家たちも一堂に会しています。
また、その手法や制作過程を紹介した映像資料や、作品の元になっている写真資料、ウォーホルと親交のあった人々の写真なども展示されています。
それまでの絵画・写真史上において比類なきスタイル故に「ウォーホル」というカテゴリーを成し得たひとつの芸術。その中のポートレート・シリーズを特集して、ポップ・アートを牽引したウォーホルの世界感を読み解き分析するエクスポジションとなっています。
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Le Grand Monde d'Andy Warhol
入場料:一般:11ユーロ、他割引
会期:2009年3月18日~7月13日
会場:Les Galeries nationales du Grand Palais
グラン・パレ ナショナルギャラリー
3, avenue du General Eisenhower 75008 Paris
開館時間
■10h~22h(木曜は20hまで)
休館/ 火曜、5月1日
アクセス
■メトロ シャンゼリゼ - クレマンソー(1・13番)、フランクリン・ルーズベルト(1・9番)
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